で、憲法9条を守って何をするのか?

 近いうちに私の感じる右傾化についてのエントリを書こうと思っていますが、その前に疑問が。
前も同じことを書いているはずですが(自分のブログなので後で調べます)、ずっと護憲という言葉の違和感を抱えています。

 他国は改憲しているから日本もとか、隣国の動向が怪しいから…とかの改憲を主張する人の理由は理由として話し合いの余地があります。しかし、俗に護憲と言っている人は「平和主義を世界に宣言している美しい憲法だ」とか、「9条改正によって日本は戦争をする国になる」とか、正直言って理由になっていないのです。

 美しい憲法であるなら、なぜ他の国はそれを見習わないのでしょうか?
憲法は国の根幹ですから、それを揺るがす改憲は認められないのかもしれません。しかし、大きな紛争もなく独立した国(チェコスロバキア、いくつかの旧ソ連の国々)がそれを選べなかったのはなぜでしょうか?
 もしかしたら、日本の憲法は美しい憲法なのかもしれません、しかし、“美しいだけでは生きてはいけない”からではないでしょうか?

 何かあったときに、最終的に自国を守るのは武力なのではないでしょうか?もちろん、武力を持つことを意識する必要が日本にはあると思います。防衛は別にして、範囲外の地域へ軍事展開をする場合などはどうするか想定しなければならないと思います。しかし、“必要な時にできない”のは問題ではないでしょうか?


 本来、イラク派兵は違憲でしょう。最高裁の判決は寡聞ですが。もしかしたら出ていないのかもしれません。しかし、憲法に書いてあることからすると違憲であると思います。しかし、現実はイラク自衛隊が行き、違憲にならないように自己防衛のみ認められているということです。派兵前に最高裁違憲だと宣言して政府と対決していれば…というのはありますが、これが現実であり、最高裁違憲だと言える状態にないのです。これが最大の問題であるのに、誰も突っ込まない。
 私は改憲に賛成ですが、最高裁が今の状態では信用できません。皆さん、最高裁の裁判官はキチンと選びましょう…

 閑話休題

 平和主義をうたっている言葉はよく響きます。しかし、誰も追従してこない…護憲の人はどう思っているのでしょうか?「知らないだけだよ」と言うのでしょうか?
また、日本の憲法はすばらしいと言われるという内容も護憲の人のブログなどで見かけることがあります。しかし、私はその後にこう聞いた人を見たことがありません。「じゃあ、君の国もなぜそうしないの?」と。他の国の憲法は、自分たちとは余り関係がありません。そこで何がかかれていようと外国人である彼らには何もないからです。その時に他の国の憲法で理想をうたっていればそれはいいものでしょう。ただ、それが我が身となった時にどれだけの人が許容できるのか…とりあえず、日本のような憲法 で検索してみましたが、他国でそのような動きがあるということはないですね。護憲とか改憲のブログしか引っかかりませんでした。
 誰も伝家の宝刀を床の間に飾っていれば剣で負けることはないとは思っていないということです。

 また、60年憲法が守ってきたと護憲の人はいいます。しかし、正確にはまだ15年です。ソ連が崩壊して、冷戦構造がなくなるまでは軍備の話などする必要性が余りなかったのですから(米ソが頭の上でいがみ合ってただけ)。そして、日本が世界第二位の経済力を持つまでは。さぁ、たったの15年ですが、北朝鮮の問題があり、中華人民共和国の問題があります。ようやく危機にさらされて、これだけの論議になっています。憲法9条はあるだけではまったく役に立たなかったのではないでしょうか?

 戦争をする国になるという意見は、あながち間違いではないですが「する」と「できる」は違うし、そもそも日本が積極的に攻める理由がありません。理由は「違う民族だから」「統治がめんどうだから」「アメリカに怒られるから」ぐらいでしょうか。

 最近、護憲ではダメだということで「自民党案反対」に変わっているところも見かけます。私も表題自体には大いに賛同します。しかし、どうも護憲でだめだったから今の自民党案に反対(今後も案に反対することで結果憲法改正阻止)という姿にしか見えないので、彼らの行動には賛同できかねます。